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Webアクセシビリティ達成基準「2.3.1 3回のせん(閃)光、又はしきい(閾)値以下の達成基準」の話

  • Webアクセシビリティ
2026/05/08 | T.Y.

こんにちは、道洋行東京支店Web制作スタッフのT.Y.です。

前回はWebアクセシビリティ達成基準「2.2.2 一時停止,停止及び非表示の達成基準」について解説しました。続けて今回は「2.3.1 3回のせん(閃)光、又はしきい(閾)値以下の達成基準」への対応について解説します。

近年、Webサイトでは動画やアニメーション、動きのある演出を取り入れるケースが増えています。特に採用サイトやプロモーションサイトでは、インパクトを重視した演出を希望されることも少なくありません。

しかし、過度な点滅表現や激しいフラッシュ演出は、一部の利用者に身体的な負担を与える可能性があります。場合によっては、光感受性発作を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。

「2.3.1 3回のせん(閃)光、又はしきい(閾)値以下」とは?

一定以上の点滅を避けるための基準

この達成基準は、画面上で強い点滅やフラッシュを発生させないためのルールです。

簡単に言うと、

  • 1秒間に3回を超える激しい点滅を避ける
  • 大きな面積での明滅を避ける
  • 赤色を中心とした強いフラッシュを控える

といった内容になります。

Webアクセシビリティの目的は、年齢や障害の有無に関係なく、多くの人が安全に情報へアクセスできる状態を作ることです。そのため、「見やすさ」だけではなく、「安全性」も重要な観点になります。

なぜこの達成基準が重要なのか

光刺激による体調不良を防ぐため

強い点滅やフラッシュは、人によっては頭痛やめまい、不快感の原因になります。

特に問題となるのが「光感受性発作」です。
これは、点滅する光などの視覚刺激によって引き起こされる発作で、動画やゲーム、Webコンテンツなどでも注意が求められています。

制作側としては「少し派手な演出」のつもりでも、利用者によっては危険につながる場合があります。

行政サイトや公共性の高いWebサイトではもちろん、一般企業のコーポレートサイトでも、アクセシビリティ配慮は今後さらに重要になっていくと考えられます。

制作現場で注意したい具体例

高速で切り替わるバナー

トップページで複数の画像を高速に切り替える演出は注意が必要です。

例えば、

  • 0.2秒ごとに画像が切り替わる
  • 白→黒→白のようにコントラスト差が大きい
  • 全画面サイズで点滅する

といったケースは、利用者への刺激が強くなります。

最近では、視認性やUXの観点からも、ゆっくりしたフェード切り替えを採用するケースが増えています。

GIFアニメーションの多用

軽量だからという理由でGIFアニメーションを使用することがありますが、点滅表現には注意が必要です。

特に、

  • 点滅を繰り返すアイコン
  • 強調用の光エフェクト
  • 赤色を使ったフラッシュ演出

などは、知らないうちに基準を超えてしまう場合があります。

装飾目的のアニメーションほど、客観的に確認することが重要です。

動画の編集演出

採用動画やブランドムービーでは、テンポ感を出すために高速カット編集を行うことがあります。

しかし、

  • 強い白フラッシュ
  • ライブ演出風の点滅
  • カメラの激しいストロボ表現

などは注意が必要です。

Webサイトへ動画を掲載する際は、アクセシビリティ観点で確認することが望ましいです。

実際のWeb制作ではどう対応するべきか

激しい点滅を避ける

まず基本となるのは、「そもそも強い点滅演出を多用しない」という考え方です。

現在のWebデザインでは、以前ほど派手なフラッシュ演出は主流ではありません。

むしろ、

  • ゆるやかなアニメーション
  • フェードイン
  • スクロール連動
  • 自然な動き

など、落ち着いた演出の方がユーザー体験として好まれる傾向があります。

アクセシビリティ対応は、単なる制約ではなく、結果としてUI/UX向上にもつながるケースが多いです。

CSSアニメーションにも注意する

JavaScriptだけでなく、CSSアニメーションも確認が必要です。

例えば、

animation: flash 0.1s infinite;

のような指定を行うと、高速点滅になってしまいます。

デザイン実装時は、単純に「動くかどうか」ではなく、

  • 点滅速度
  • 明暗差
  • 色変化
  • 画面占有率

まで確認することが大切です。

制作フローに確認工程を入れる

アクセシビリティは、公開直前に確認するよりも、設計段階から考慮した方が効率的です。

例えば制作フローの中で、

  • デザイン提出時
  • コーディング確認時
  • 動画組み込み時

などにチェック項目を設けると、後戻りが少なくなります。

特に複数人で制作する案件では、「誰が確認するか」を決めておくことも重要です。

アクセシビリティ対応は“特別な配慮”ではない

安心して閲覧できるサイト作りへ

Webアクセシビリティというと、「障害者向け対応」というイメージを持たれることがあります。

しかし実際には、

  • 高齢者
  • 一時的に体調が悪い方
  • 明るい場所で閲覧している方
  • 集中しづらい環境の方

など、多くの人に関係する考え方です。

過度な点滅を避けることは、「誰でも安心して閲覧できるサイト作り」につながります。

また、アクセシビリティ配慮が行き届いたサイトは、情報整理やUI設計も丁寧なケースが多く、企業としての信頼感向上にもつながります。

まとめ

「2.3.1 3回のせん(閃)光、又はしきい(閾)値以下」の達成基準は、利用者の安全性に関わる重要な項目です。

特に近年は、動画やアニメーションを活用したWebサイトが増えているため、制作現場でも意識する必要があります。

ポイントとしては、

  • 激しい点滅を避ける
  • 高速フラッシュ演出を控える
  • CSSや動画も含めて確認する
  • 制作工程にアクセシビリティ確認を組み込む

といった点が重要です。

Webアクセシビリティ対応は、「対応しなければならないもの」だけではなく、結果としてユーザーにとって使いやすく、安心できるWebサイト制作につながります。

当社サービスに関するご相談・お見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者
T.Y.

2011年に道洋行東京支店へ入社。Webチームに所属し、デザイナーとして多くのWebサイト制作に携わる。ユーザー視点を重視したデザインと、アクセシビリティに配慮したサイト設計を強みとし、企業や行政機関向けのプロジェクトを多数手掛ける。
最新のデザイン動向やUI/UXに関する知見を活かし、ユーザーに価値のある情報を提供。Web制作のご相談やお問い合わせは、お気軽にどうぞ。