こんにちは、道洋行東京支店Web制作スタッフのT.Y.です。
前回はWebアクセシビリティ達成基準「2.2.1 タイミング調整可能の達成基準」について解説しました。続けて今回は「2.2.2 一時停止,停止及び非表示の達成基準」への対応について解説します。
Webサイトを制作する際、「動きのあるコンテンツ」をどのように扱うかは、見た目の印象だけでなく、ユーザーの使いやすさにも大きく影響します。特に自動で動くスライダーや点滅するバナーなどは、適切に設計しないと、ユーザーにとって大きなストレスとなることがあります。
もくじ
「2.2.2 一時停止,停止及び非表示」は、ユーザーの操作に関係なく動き続けるコンテンツに対して、ユーザー自身が制御できる手段を提供することを求める達成基準です。
対象となるのは、以下のようなコンテンツです。
これらのコンテンツは、視線を奪ったり、操作の妨げになったりするため、一定時間以上動作する場合は、ユーザーが「止める・隠す・一時停止する」ための手段が必要になります。
自動で動くコンテンツは、一見すると「分かりやすい」「目を引く」といったメリットがあります。しかし、すべてのユーザーにとって有益とは限りません。
例えば以下のようなケースです。
特に認知特性や視覚過敏のあるユーザーにとっては、強いストレスや体調不良の原因になることもあります。
アクセシビリティの観点では、「ユーザーが自分のペースで情報を取得できること」が重要です。
自動で動くコンテンツが制御できない場合、
といった問題が発生します。
つまりこの達成基準は、単なる配慮ではなく、ユーザビリティ向上にも直結する重要な要素といえます。
「2.2.2」では、5秒以上継続する動きのあるコンテンツが対象となります。
例えば、
といった判断になります。
対象となるコンテンツには、以下のいずれかの機能を提供する必要があります。
動きを一時的に止める機能
完全に動作を止める機能
コンテンツ自体を見えなくする機能
実務上は「一時停止ボタン」を設置するケースが最も一般的です。
以下の場合は例外として対応が不要とされています。
ただし、例外であっても可能な限り配慮することが望ましいです。
企業サイトでよく見られるのが、トップページのスライダーです。
この場合は、
といった対応が求められます。
特に「自動再生+操作不可」のスライダーはNGとされるケースが多いため注意が必要です。
CSSやJavaScriptで実装されたアニメーションも対象になります。
対応方法としては、
などが挙げられます。
特に「prefers-reduced-motion」は、ユーザーのOS設定を尊重する重要な実装ポイントです。
テキストが横に流れるニュースティッカーなども対象です。
この場合は、
といった対応が有効です。
一時停止ボタンを設置しても、
といった場合は、アクセシビリティ対応としては不十分です。
ボタンには適切なラベル(aria-labelなど)を設定し、誰でも操作できるようにする必要があります。
そもそも「最初から動かさない」という選択も有効です。
最近では、
といった設計の方が、結果的にユーザー満足度が高いケースも増えています。
「動きをつけること」が目的になっていないか、一度見直してみるのも重要です。
「2.2.2 一時停止,停止及び非表示の達成基準」は、動きのあるコンテンツをユーザーがコントロールできるようにするための重要なルールです。
対応のポイントを整理すると、
となります。
見た目のインパクトを優先してしまいがちな動的コンテンツですが、アクセシビリティの観点では「ユーザーの負担にならない設計」が求められます。
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