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印刷物とWebの“デザイン思考”の違いとは?

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2025/10/22 | R.T.

こんにちは、道洋行東京支店Web制作スタッフのR.T.です。
今回はWEBにおけるデザインの話をしたいと思います。

特に「印刷物」のデザインとの違い。
WEBと印刷物では、人に読んでもらうというテーマは同じでも、媒体の違いから生まれる理屈の違いが生まれるのです。

印刷物のデザインは“完成品”を目指す

印刷物のデザインは、仕上がった瞬間が最も美しいように設計されます。
紙の質感、色の再現性、レイアウトのバランス。すべては「見た人が一度で情報を理解し、美しさを感じる」ために構成されます。

印刷物の世界では“作品”としての完成度が求められるため、緻密な設計と再現性が重要です。
そのため、視線の流れや余白の取り方、書体の選定なども、「静止した状態で完結する表現」を意識して組み上げられます。

Webデザインは“体験”を設計する

一方でWebデザインは、“完成”よりも“進行”が前提です。

ページはスクロールされ、ボタンは押され、ユーザーは行き来を繰り返します。

デザイナーは、色や形だけでなく、「ユーザーの行動を導く流れ」をデザインする必要があります。
たとえば同じ商品紹介ページでも、印刷物では「見せる順番」を固定できますが、Webでは「ユーザーがどの順で見るかわからない」。
だからこそ、ナビゲーションの設計やモバイルでの操作感など、“動的な文脈”を考える力が求められます。

また閲覧環境によってウインドウのサイズも異なり、パソコンで見ている人もいればスマートフォンで見ている人もいるでしょう。
世のモニタは、スマートフォンはそれぞれに異なった幅を持っており、そのすべての環境に適切な情報提供ができなければなりません。

Webデザインは常にフレキシブルに環境に適応しなければならないのです。

制作後にも“育つ”のがWebデザイン

印刷物は印刷した瞬間に完結しますが、Webサイトは公開してからが本番。

アクセス解析を通して「どこが読まれているか」「どこで離脱しているか」を見ながら、レイアウトや導線を改善していく――。
つまりWebデザインは、「完成させるデザイン」ではなく「育てるデザイン」

日々の運用や改善が、ユーザー体験の質を高め、最終的に成果へつながります。

この記事を閲覧している皆様がもしWebサイトをお持ちでしたら、閲覧された方々の反応を踏まえて、よりよいWebサイトを目指してサイトを進化させるよう考えてみてはいかがでしょうか。

共通して求められる“伝える力”

とはいえ、印刷物にもWebにも共通して必要なのは「伝える力」です。

どちらも目的は「情報を届けること」
ただし、印刷は静的に、Webは動的に伝える。

我々Web制作会社はそれを踏まえて、印刷とは異なるWebに最適化されたデザインを提案いたします。
逆に、もし皆様がWeb制作会社にご依頼されるお立場であった場合は、「印刷物のような状態を再現するのがWebデザインにおいての最適とは限らない」点を、あらかじめ踏まえてご依頼頂くと「オッ、このクライアントはWebの要点をきちんと理解している人だ!」と思ってもらえるかもしれませんね。

当社サービスに関するご相談・お見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者
R.T.

2013年に道洋行東京支店へ入社。Webチームに所属し、主にHTML/CSSやJavaScriptを用いたコーディングを担当しています。きちんとした文書構造をフロントエンドエンジニアの誉れとし、今はWEBアクセシビリティの勉強中です。Web制作のご相談やお問い合わせは、お気軽にどうぞ。