こんにちは、道洋行東京支店Web制作スタッフのT.Y.です。
前回はWebアクセシビリティ達成基準「1.2.2 キャプション(収録済み)」について解説しました。
続けて今回は「1.2.3 音声解説、またはメディアに対する代替(収録済)」への対応について解説します。
動画コンテンツの活用が進む中で、この基準に対応することは、情報の伝達力と信頼性の向上につながります。
現場での実装方法や注意点を、制作側の視点で具体的にまとめましたので、ぜひご参考ください。
もくじ
この基準は、収録済みの映像コンテンツに対して、視覚的な情報を補足する手段を提供することを求めています。具体的な対応方法は以下のいずれかです。
どちらか一方の提供で基準を満たすことができますが、実装のしやすさ、ユーザー層、サイトの目的に応じて適切な形式を選ぶことが重要です。
音声解説を導入する方法のひとつは、映像ファイルに直接解説音声を追加して編集し直す方法です。
ナレーションやセリフのない部分に音声解説を挿入し、ユーザーに違和感なく視覚情報を補足できるようにします。
ただし以下の点に注意が必要です。
元の映像はそのままに、音声解説付きの別バージョンを用意し、ユーザーに選択肢を与える方法もあります。
このアプローチは以下のような利点があります。
ユーザーに配慮したインターフェース(例:音声解説付き動画へのリンクやボタンなど)を設置することで、体験を損なわずに対応が可能です。
「メディアに対する代替」は、動画に含まれるあらゆる情報を、文章で網羅的に記述することが求められます。
以下の内容をすべてカバーすることが理想です。
簡単なあらすじやスクリプトだけでは不十分です。視覚に頼らず、文章のみで映像の内容がイメージできるレベルの記述が必要です。
代替テキストはHTMLの中で以下のように設置できます。
<details>
タグで折りたたみ式にする(冗長さを抑える)また、複数の動画がある場合は、動画ごとに対応した代替テキストを分けて記述しましょう。ユーザーが迷わずアクセスできる構造が重要です。
音声解説と字幕(キャプション)は別物です。字幕は音声情報のテキスト化であり、視覚情報の補足にはなりません。
WCAGの1.2.3では「視覚的な要素の補足」が目的なので、字幕だけでは不十分という点を見落とさないようにしましょう。
達成基準1.2.3は「レベルA」に該当します。これはWCAGの中で最も基本的な対応レベルであり、最低限対応すべき項目とされています。
この基準を満たしていない場合、JIS X 8341-3の「適合レベルA」にすら達しないという判断になるため、公共系サイトや補助金対象のWeb制作では特に重要です。
動画コンテンツを取り入れている企業や自治体のサイトでは、1.2.3への対応があるかどうかで、サイト全体の品質と信頼感が大きく左右されると言っても過言ではありません。
株式会社道洋行は、1979年創業の映像制作プロダクションとして、長年にわたりテレビ番組・CM・企業VP・Web動画・ポストプロダクション・MA(音声編集)・ENG取材・ブライダル撮影など、多彩な映像コンテンツの制作を手がけてきました。
本社のある石川県金沢市を拠点に、東京支店とも連携し、映像とWebの融合を強みに活動しています。
映像に対する代替テキストの作成や、収録済みメディアへの音声解説の追加、字幕やキャプションの最適化、HTML実装まで、映像とWebの両面から一貫してサポートできる体制が整っています。
動画とWebに精通した会社だからできる、現場目線のアクセシビリティ対応にぜひご期待ください。
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