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Cookieとは?Web制作に欠かせない基本知識と実装

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2025/05/23 | R.T.

こんにちは、道洋行東京支店Web制作スタッフのR.T.です。Webサイトを運営するにあたり、ユーザー体験の向上やマーケティング効率化の肝となる「Cookie(クッキー)」について解説します。本記事では、Cookieの基礎から実装・法規制対応までをご紹介します。

Cookieとは何か?

Cookieの定義と仕組み

Cookie(クッキー)とは、Webブラウザとサーバー間でやり取りされる小さなテキストデータです。ユーザーの識別情報や設定をブラウザ側に保存し、次回アクセス時にサーバーへ返送することで、ページ間をまたいだ連続的な状態管理を可能にします。たとえば、ログイン状態の保持やショッピングカートの中身保存など、ユーザー体験向上の要となる仕組みです。

第1者Cookieと第三者Cookie

  • 第1者Cookie
    自社ドメインで発行・読み取りされるCookieです。主にアクセス解析ツール(Google Analyticsなど)やログイン情報の保持に利用され、プライバシーリスクは比較的低いと言われます。
  • 第三者Cookie
    広告配信やリターゲティングに使われる、他ドメインが発行するCookieです。ユーザーの閲覧履歴を横断的に追跡できるため、プライバシー面での配慮や同意管理が重要となります。

Cookieの主な用途

アクセス解析とユーザー体験の向上

アクセス解析ツールとCookieを組み合わせることで、ページビュー数、滞在時間、離脱率などを詳細に分析できます。これにより、サイト構造の改善やコンテンツ最適化を行い、ユーザーの回遊率アップやCVR(コンバージョン率)の向上が期待できます。

パーソナライズドコンテンツとリターゲティング広告

Cookieを用いて過去の閲覧履歴や購入履歴を元にユーザーをセグメント化し、最適なコンテンツを表示したり、興味関心に応じた広告を配信したりできます。これがリターゲティング広告やパーソナライズドメールの基盤となり、マーケティングROI(投資対効果)の向上に貢献します。

Cookieの管理とプライバシー対応

Cookie同意管理の重要性

2020年代以降、ユーザーのプライバシー保護を最優先とする流れが強まり、Cookie同意バナー(Cookie Consent Banner)の導入が必須となってきました。適切な同意取得を行わないと、ユーザー離れや法的リスクにつながる可能性があります。

GDPR・CCPAなどの法規制

  • GDPR(EU一般データ保護規則):EU域内のユーザーデータを取り扱う場合、事前に明確な同意(オプトイン)を取得しなければなりません。
  • CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法):カリフォルニア州在住のユーザー向けにオプトアウトの権利を担保し、Cookie利用目的の開示が求められます。
  • 日本の個人情報保護法:近年改正され、クッキーを含む個人関連情報の取り扱いに関するガイドラインが強化されています。

これらに対応するため、Cookieポリシーページの整備や同意取得フロー、各種ドキュメントの更新が必要です。

Web制作におけるCookie実装のポイント

JavaScriptによるCookie操作

// Cookieの取得
function getCookie(name) {
  const matches = document.cookie.match(new RegExp(
    "(?:^|; )" + name.replace(/([\.$?*|{}\(\)\[\]\\\/\+^])/g, '\\$1') + "=([^;]*)"
  ));
  return matches ? decodeURIComponent(matches[1]) : undefined;
}

// Cookieの設定
function setCookie(name, value, days) {
  let expires = "";
  if (days) {
    const date = new Date();
    date.setTime(date.getTime() + days * 24 * 60 * 60 * 1000);
    expires = "; expires=" + date.toUTCString();
  }
  document.cookie = `${encodeURIComponent(name)}=${encodeURIComponent(value || "")}${expires}; path=/`;
}

上記のように、JavaScriptでCookieを自由に読み書きできます。Web制作の現場では、ライブラリを使わずとも基本的な操作は自作できるため、軽量で柔軟な実装が可能です。

セキュアな実装と注意点

  • Secure属性:HTTPS接続時のみCookieを送信する。
  • HttpOnly属性:JavaScriptからのアクセスを防ぎ、XSS(クロスサイトスクリプティング)攻撃を軽減。
  • SameSite属性:CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)防止のため、送信元サイトを制限(StrictLax)。

これらの属性を適切に設定することで、セキュリティを担保しつつCookieを活用できます。

まとめと今後の展望

CookieはWeb制作において重要な技術要素ですが、同時にプライバシー保護の観点から最新の法規制を把握し、適切な同意管理を行う必要があります。当社・道洋行東京支店では、アクセス解析の導入からCookie同意バナーの実装まで、一貫したWeb制作サービスを提供可能です。中小企業さまや行政機関のWeb担当者さまも、ぜひお気軽にご相談ください。Cookieを味方に、より効果的なサイト運営を実現しましょう!

当社サービスに関するご相談・お見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者
R.T.

2017年に道洋行東京支店へ入社。Webチームに所属し、主にHTML/CSSやJavaScriptを用いたコーディングを担当しています。デザインの再現性とUIの使いやすさを大切にしています。Web制作のご相談やお問い合わせは、お気軽にどうぞ。