ブログ

  • ブログ
  • Webアクセシビリティ達成基準「1.3.1 情報及び関係性の達成基準」の話

Webアクセシビリティ達成基準「1.3.1 情報及び関係性の達成基準」の話

  • Webアクセシビリティ
2025/09/16 | T.Y.

こんにちは、道洋行東京支店Web制作スタッフのT.Y.です。
Webサイトを運用していると、情報の整理や各要素のつながりが非常に重要であることを実感することがあります。
特に、情報の意味や関係性を正しく伝えることは、すべての訪問者にとってサイトの使いやすさを高めるだけでなく、Webアクセシビリティの向上にもつながります。
本記事では、Webアクセシビリティの達成基準1.3.1「情報及び関係性」について解説します。

達成基準1.3.1「情報及び関係性」とは?

この基準は、ページ上の情報や要素同士のつながりが、視覚に頼らずとも正しく伝わることを求めています。たとえば、見出しやリスト、表、フォームなどが正しくマークアップされていない場合、スクリーンリーダーでは順序や意味が分かりにくくなり、利用者が迷ってしまうことがあります。

情報と関係性が大切な理由

情報のつながりや意味がはっきりしていると、サイトを訪れる人はスムーズに必要な情報を見つけられます。特に手続きやサービス案内など、順序や関係性が分かりにくいと、訪問者のストレスにつながってしまいます。

支援技術との互換性

スクリーンリーダーや音声ブラウザは、HTMLの構造情報をもとにページ内容を読み上げます。正しい見出しタグやリスト、テーブル構造がないと、情報の階層や項目の関係を理解できません。

ユーザー体験の向上

情報の順序やつながりを整理しておくことで、訪問者は迷うことなくサイトを利用できます。サービス紹介や手続き案内など、内容が分かりやすいサイトは、結果として信頼感や満足度の向上につながります。

具体的な実装例

見出しの階層化

見出しはページの情報構造を示す重要な要素です。h1からh6まで適切に階層化することで、スクリーンリーダーでも情報の流れが分かりやすくなります。見出しは簡潔に、内容を端的に表現しましょう。

リストや表のマークアップ

  • リスト:順序付き(ol)・順序なし(ul)を正しく使用
  • :ヘッダー(th)とセル(td)を明確に指定

表では、列と行の関係がはっきり分かることが重要です。リストや表の情報が整理されていると、スクリーンリーダーでも正確に伝わります。

フォームのラベル付け

入力欄には必ずラベル(label)を関連付けます。

  • 名前やメールアドレスなど、各項目にラベルを設定
  • ラベルと入力欄の紐付けを正しく行う

こうすることで、音声ブラウザを使う人も迷わず操作できます。

実装のポイント

HTML構造を意識する

  • 見出しの階層を整理
  • リストや表を正しくマークアップ
  • コンテンツの順序を意味に沿って配置

正しい構造を保つことで、支援技術を使うユーザーにも情報が正しく伝わります。

ARIA属性の活用

必要に応じてARIA属性を利用すると、複雑なコンテンツの情報を補助的に伝えられます。

  • aria-labelledby や aria-describedby でラベルや説明を関連付ける
  • カスタムコンポーネントや複雑な表の情報伝達をサポート

ただし、多用しすぎると混乱のもとになるので注意しましょう。

色や位置に頼らない情報提示

  • 色だけで情報を区別しない
  • アイコンやテキストで補足
  • 画像のテキストには必ず代替テキスト(alt属性)を設定

視覚に頼らなくても情報が理解できるようにすることが大切です。

まとめ

Webアクセシビリティ達成基準1.3.1「情報及び関係性」は、ページ内の情報の意味やつながりを整理し、誰でも理解できるようにするための基準です。見出しやリスト、表、フォームを正しくマークアップし、必要に応じてARIA属性を活用することで、支援技術を使う方にも情報が正確に伝わります。

サイトを訪れるすべての人にとって使いやすく、分かりやすいページづくりを心がけることで、ユーザーの満足度は自然と高まります。小さな工夫の積み重ねが、信頼されるWebサイトを作る第一歩です。

当社サービスに関するご相談・お見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
この記事の執筆者
T.Y.

2011年に道洋行東京支店へ入社。Webチームに所属し、デザイナーとして多くのWebサイト制作に携わる。ユーザー視点を重視したデザインと、アクセシビリティに配慮したサイト設計を強みとし、企業や行政機関向けのプロジェクトを多数手掛ける。
最新のデザイン動向やUI/UXに関する知見を活かし、ユーザーに価値のある情報を提供。Web制作のご相談やお問い合わせは、お気軽にどうぞ。